<どんな万年筆を選ぶといいのか・・・> |
最初の1本は特に持った時の心地よさが大切です。
字幅とお値段である程度ピックアップしたら、あとは手に持ってそれぞれの万年筆の書き心地をお確かめください。メーカーや個々によって微妙に書き味が異なるのが万年筆の醍醐味です。その中からあなたにあった万年筆を探すお手伝いを心をこめてお手伝いさせていただきます。 |
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<国内メーカーと海外メーカーの違い> |
おもに字幅の点で異なります。国産万年筆の方が字幅が細めに仕上がっています。その理由としては、日本字には漢字、縦書き、横書き、トメ、ハネなどアルファベットにはない特徴があるため、それに対応できるペン先になっています。
海外メーカーならではの独特な書き心地とおしゃれなデザインも重要なポイントです。
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<ペン先の素材 ステンレス、14金、18金の違い> |
万年筆のインクには酸性の物が多いのでペン先には酸に強い金が一般的に用いられます。14金が代表的ですが商品によっては18金、21金のものがあり、性能としては大きく違いはありませんが、わずかながら書き心地は異なります。
最近は技術が発達し、さびにくい特殊合金(特殊ステンレス)のペン先も安価のため人気です。しかし、金のペン先の方が適度な弾力で書き心地も良く、30年40年と長く使っていただけますので、大事な一本をお選びでしたら金素材のペン先をお勧めいたします。 |

<ステンレスペン先>
メーカーロゴと字幅のみの表記 |

<14金ペン先>
メーカーロゴと字幅と「14C-585」という14金の国際表示入り
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<より充実した試し書きにするには> |
万年筆は文字を書くものなので、試し書きにはまず自分の名前(普段から書き慣れていて考えなくても手が動く文字のため書き心地の違いがわかりやすい)、もしくは仕事や授業でよく書く言葉などを書いてみてください。クルクル円を書くだけでは万年筆の良さは伝わりにくいです。
店頭の試し書き用紙だけではなく、日常生活で万年筆で書きたいノートや手帳があれば持参していただき、そちらに試し書きしてみてください。インクの滲み方や字幅があっているかどうかの確認ができます。 |
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<字幅の選び方> |
万年筆を使うシチュエーションと書く紙が罫線の細いノート類なのか、太罫の便箋なのかを思い浮かべてみてください。
サインやお礼状、宛名書きなどで大きい字を書く⇒中字(M)、太字(B) 滑りがよくどっしりとしたインクの濃淡がよくわかる文字が書けます。
ノートや手帳に小さい字を書く⇒極細(EF)、細字(F) 細く美しい線の整った文字が書けます。 |

パイロットカスタム74の細字と中字で試筆(ブラックインク使用) |
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<万年筆の持ち方> |
基本的にはキャップを胴の後に差し、ボールペンで書くときよりもやや寝かせ気味に中心あたりを持ちます。
角度は紙に対して約50度くらい。そうすることにより余分な力が入らず万年筆の重みだけでインクが出てきますので、疲れることなく字を書くことができます。 |

<立てて持ちすぎの例>
手に力が入りすぎてしまい、疲れとペン先を傷める原因になります |

<寝かし気味に>
紙の上を滑らせるように書きます |
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<万年筆での書き方> |
正しい持ち方をされたほうがしっかりとペン先が紙にあたるため、正しく毛細管現象が働きスムーズに書くことができます。
紙にペン先をあてただけでインクが出てきますので、できるだけ力を抜いて万年筆の重みだけで書くようにしてください。 |
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<インクが出ない場合> |
インクが出ないからと言ってペン先を強く紙に押し付けないよう気を付けてください。押し付けてしまうとペン先が割れて開き、毛細管現象が働かなくなり益々インクが出なくなってしまいます。
インクが出ない原因としては、インク汚れにより詰まってしまっている、正しい角度で筆記できていない、などが考えられます。
洗浄※しても出ない時はどうぞお気軽に当店へお持ちください。 |
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<万年筆のインク吸入方法> |
万年筆には大きく分けて「回転吸入式」と「カートリッジ式」「カートリッジ・コンバーター両用式」があります。
インク瓶から直接吸い上げて使うのが「回転吸入式」「コンバーター式」です。こちらは残りのインク量を確認して自分で常に満タンの状態にしておくことができます。
「カートリッジ式」はインクが中に入ったタンク状のものを万年筆の首軸に差し込んで使うためとてもインク交換が手軽です。
国産メーカーの万年筆には「カートリッジ・コンバーター両用式」のものが多いです。 |

回転吸入式万年筆
万年筆本体のタンクに青いインクが満タンに入っている状態です |

カートリッジ・コンバーター両用式万年筆

コンバーターを装着することによりボトルインクを使用できます |
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<お手入れ方法> |
お手入れの基本は水洗いです。万年筆は毎日使っていただくのがいちばんのメンテナンスですが、インクの出方が悪くなったり、インクの色を変える時、しばらく使わない時は水洗いしてください。
カートリッジ式の場合・・・カートリッジを抜いてペン先ごと水道水を入れたコップにつけ置きします(写真1)。一晩ほどつけたあと首からペン先に向けて流水にあてきれいに洗います。
コンバーター・回転吸入式の場合・・・インクを吸い上げる動作と同様にコップの水を吸って出す作業を繰り返します。出てくる水がきれいになるまでコップの水を交換しながら続けてください。(写真2) |
(写真1) |
(写真2)
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